
制汗剤でワキガになるって本当?臭いを悪化させないための選び方
「制汗剤を使うとワキガになる」という噂を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際に制汗剤の使用がワキガにつながるのか、科学的根拠の有無について不安に思う方もいるはずです。
本記事では制汗剤とワキガがどのように関係しているのか、臭いを悪化させない製品の選び方を踏まえて解説します。

Contents
制汗剤でワキガになるのは本当?
結論からいえば、制汗剤が直接的にワキガを引き起こすことはありません。
ワキガ(脇臭症)はアポクリン汗腺から分泌される汗に、皮膚の常在菌が作用して発生するため、体質による影響が大きいといわれています。
しかし、制汗剤を脇に使ったことで脇以外の汗量が増えたり、使いすぎによって皮膚が乾燥し皮脂や汗量が増えたりするケースもあります。
また制汗剤に含まれる香料によっては、汗と混ざって不快な臭いを生み出す可能性も。
こうしたさまざまな要因によって、「制汗剤=ワキガ」といった噂が生まれたのだと考えられます。
ワキガの仕組みと臭いの原因
人の身体には2種類の汗腺があり、ワキガは「アポクリン汗腺」から分泌される汗が元で起こります。
この中には脂質やタンパク質が含まれており、これを皮膚表面の常在菌が分解することで特徴的な臭いが発生します。
汗自体は無臭であっても、分解過程で臭い物質が生成されるため、汗をかいたときはすぐに拭き取ることが大切です。
アポクリン汗腺は脇にあるものだと思われがちですが、耳の中や乳輪・陰部などにも多く、ワキガと同じように臭いを放ちます。
一方、「エクリン汗腺」は全身に存在しており、主に上がった体温を冷やす目的があります。
ワキガが不安で全身の汗を気にしてしまう方もいますが、エクリン汗腺から出るサラサラとした汗はそれほど臭いの心配がありません。

制汗剤とデオドラントの違い
脇の臭いケアとして販売されている制汗剤とデオドラントには、それぞれ異なる特徴があります。
制汗剤
汗腺に蓋をすることで、汗の分泌を抑え、臭いの元を絶つはたらきがあります。
デオドラント
殺菌作用や消臭作用によって、汗の臭いを抑えるはたらきがあります。
制汗効果はなく、あくまでも臭い対策として販売されています。
関連記事:汗が臭い原因と対策を男女別にわけて解説|匂いの特徴についても
制汗剤・デオドラントで臭いが強くなることがある
制汗剤やデオドラントは便利なアイテムですが、時として脇の臭いをさらに強めてしまう場合があります。
香料と汗が混ざる
単体で嗅ぐと甘く素敵な香りに感じるアイテムでも、汗と混ざることにより個性的な臭いに変わり、人によっては不快感を覚える可能性があります。
どの香料が臭うと感じるかは人によって異なるため、新しい制汗剤やデオドラントを試すときは、人と会わない日などを選んで使用することをおすすめします。
殺菌で常在菌のバランスが乱れる
殺菌効果の高い制汗剤を使うことで、皮膚の常在菌バランスが乱れ、雑菌が繁殖することがあります。
【体験談】
- ずっと使っていたはずの制汗剤で次第に肌がヒリヒリするようになった。
- 汗が出なくなり、変わりにこれまで感じなかった臭いがするようになった。
上記のケースは、塩化アルミニウムを代表とする強い成分によって常在菌が減り、肌が乾燥や炎症を起こしやすくなったと考えられます。
通常は常在菌によって守られている肌が雑菌に負け、結果として臭いが生じました。
こうしたトラブルを防ぐため、刺激の弱い制汗剤やデオドラントを使用することも大切です。

制汗剤の選び方
新たなトラブルを生むことなく脇の臭いを予防するためには、自分に合った制汗剤を選ぶ必要があります。
成分から選ぶ
制汗剤に使われている主な成分と、それぞれのメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット | |
クロルヒドロキシアルミニウム | 肌への刺激が少ない多くの制汗剤に配合されている | なし |
塩化アルミニウム | 汗腺に蓋をし汗を減らす | 肌に刺激を与えやすい衣服が劣化しやすい |
ミョウバン | 発汗抑制と消臭作用が同時に期待できる | なし |
高い制汗効果を誇る塩化アルミニウムですが、先ほど触れたように、過度な使用や敏感肌の方が使うことで肌への刺激となる点に注意が必要です。
刺激が不安な場合は、クロルヒドロキシアルミニウムやミョウバン配合の製品に注目して選ぶとよいでしょう。
使用シーンに合わせて選ぶ
たくさん汗をかいた後手軽に使えるものを探している方は、吹きかけるだけで使えるスプレータイプやシート状の拭き取りタイプがおすすめ。
みずみずしいテクスチャーで、火照った身体がひんやりとリフレッシュします。
一方、仕事中など日中の汗をケアしたい場合は、外出時でも塗り直しがしやすいスティックタイプやロールオンタイプを試してみるとよいでしょう。
コンパクトなサイズ感で持ち運びやすく、いずれも気になる部位にムラなく塗れるのが魅力的です。
肌への刺激の少なさで選ぶ
敏感肌の方や乾燥が気になる方などは、先ほど触れた「塩化アルミニウム」配合の製品を避けたり、無香料・無添加の製品を選んだりすることをおすすめします。
中には化粧品でありながら皮膚科医が監修した製品などもあり、毎日安心して継続できます。
関連記事:脇汗による黄ばみを防ぐには?原因と対策をわかりやすく解説
まとめ
制汗剤が原因でワキガになることはありませんが、成分や使い方によっては臭いが強くなったと感じる可能性もあります。
自分の肌質や生活に合った制汗剤を選び、正しく臭いケアができるように心掛けましょう。