
ワキガの対策方法は?制汗剤の選び方や改善しない場合の対応を紹...
はじめまして! 臭いの専門家で、医療法人『幸龍家』で理事長をしている朝岡です。
以前にもAbamaTVで臭いについて取材があり、『ワキガ』について悩まれている方が非常に多いことを日々実感しています。
実際に『ワキガ』や体臭で悩んでいる方はたくさんおられることでしょう。
今回は知っているようで知らないワキガについて詳しく説明し、皆さんが一番知りたいであろう対処法についても説明していきますね!
この記事を読んで、ワキガの悩みから制汗剤を使用し今すぐに卒業しましょう!
Contents
ワキガとは?

ワキガとは医学用語で『腋臭症』(えきしゅうしょう)といいます。
脇(ワキ)の下(ガ)で臭う病気から、通称『ワキガ』と呼ばれるようになりました。
私たちの体には『汗腺』と呼ばれる汗を分泌する組織がいたるところに存在しており、汗腺には『アポクリン腺』と『エクリン腺』の2種類の汗腺があります。
脇の下にはワキガの原因となる汗腺『アポクリン腺』が多く存在し、この汗が僕たちを苦しめるのです。
実は日本人の10%はワキガがあることが分かっています。
そして男女差がなく、遺伝が大きな要素として占めています。
またワキガの匂いは『鼻がツーンっとするような酸っぱい臭い』と独特な表現をされる特有な臭いが特徴です。
皮膚には汗を出す汗腺、油のもとになる皮脂腺、外敵から守るための毛が主な構造です。
関連記事:汗が臭い原因と対策を男女別にわけて解説|匂いの特徴についても
ワキガの原因

ワキガの原因はアポクリン腺から分泌される汗が、皮脂や細菌と組み合わさり嫌な臭いが発生します。
ワキガの原因となっている要素を今から説明していきますね。
遺伝
先ほども解説しましたが、ワキガの原因の大半が遺伝であるということが分かっています。
また、脇の下にアポクリン腺を多く存在する人の方がワキガの可能性が高いです。
ある研究で日本人の耳垢とワキガが関連している結果がでており、耳垢がベタベタしている(いわゆるベタ耳)の人の80%はワキガであることが分かっています。
耳垢がベタベタしている人はABCC11遺伝子配列の変異があり、この遺伝子は遺伝することが分かっています。
日本人の16%が耳垢がベタベタしているので、耳掃除をしてみることで、自分がワキガの可能性があるかを確認することが可能です。
体質
体質は大きくワキガに作用すると考えられています。
もちろんベタベタする耳垢(湿型耳垢)があることが大きく作用することは前述した通りです。
しかし以下などの体質もワキガが生じる可能性が高くなる要素と考えられています。
- 腋毛が多い
- 衣類が黄ばみやすい
- 腋窩多汗症という病気を合併しているかどうか
- 耳孔、乳輪、陰部に特有の匂いが伴っているかどうか
年齢
ワキガは年齢によって症状の程度は変化していきます。
実は第二次性徴期(9歳~13歳)と呼ばれる思春期から発症し、20歳台にピークに達します。
男女差もなく、『ワキガ=おじさんの病気』と考えられている世間の認識とは異なるでしょう。
また、思春期以降の年頃のお子様の場合、精神的に未熟なことも多く、他人から指摘をされることで精神疾患に陥ってしまうこともあるため注意が必要です。
女性ホルモンの作用
ワキガは女性ホルモンの影響もあると考えられています。
女性は月経前から月経時にワキガの匂いが強くなることがわかっています。
月経前症候群(PMS)でも考えられているように性ホルモンのバランスの変化が影響しています。
食事・ストレス
食事やストレスもワキガに影響している事が分かっています。
動物性脂肪を多く含む食べ物(肉やチーズ)などを多く食べている人はワキガの臭いを強くします。
またストレスがかかると、感情的に発汗を促されたり、臭いに敏感になり、よりワキガを気にするようになります。
ワキガの診断方法ってあるの?
実は明確なワキガの診断方法はありません。
過去には患者の脇にガーゼをあてて、医療者がそのガーゼの臭いを確認してワキガか判断していたこともあるようですが、あくまで主観的な要素が強いため、現在でも明確な診断方法はありません。
実際にワキガなのか確認する方法ってある?
ワキガの明確な診断方法がないなか、僕のクリニックでは必ず聞いている質問があります。
- 『いつからワキガと思い始めましたか?』
- 『耳掃除をしたときに耳垢ってベタベタしていますか?』
- 『ご両親や兄弟にワキガの人はいますか?』
- 『家族や他人からワキガの指摘はありますか?』
ワキガは思春期からの病気であること、ベタ耳の8割の人がワキガがあること、遺伝性の病気であること、他人から指摘されたことがあるかどうかを必ず聞くようにしています。
これ2つ以上当てはまる人をワキガを疑うようにしています。
関連記事:気になる汗のにおいの対策について|汗が臭い人と臭くない人の違いとは?
日常でできるワキガの対策方法

ワキガの原因は以下の組み合わせによりワキガを発症します。
- アポクリン腺による発汗
- その周囲組織(毛や皮脂腺)
- 常在菌
今から日常でできるワキガの対策方法を説明します。
清潔にする
清潔にすることで一時的に臭いを発生している汗や常在菌をキレイにすることができます。
清潔にする方法として入浴や清拭といった方法がありますが、どちらも一時的であり、ワキガの臭いを完全に除去することができません。
過去の研究で消毒薬できれいにすることで、ワキガが改善されるのではと考えられていました。
やはり消毒薬も一時的にしか作用しなく、副作用として肌荒れや、接触性皮膚炎という病気を発症してしまうリスクがあるため強く推奨はされません。
簡単に清潔にするだけで一時的にはよくなります。
通気性のよい服を着る
ワキガは発汗によりジメジメした環境において常在菌との反応で臭いを発することが原因です。
このことから、通気性の良い服を着用することで、乾いた環境を維持し、ワキガの発生を抑制することができます。
こまめに洗濯をする
ワキガの臭いが服にも付いてしまいます。
そのため、こまめな洗濯がおすすめです。
いくらワキガの対策をしても、服に臭いがついてしまうと中々とれなくなってしまうため、脇が清潔であっても洋服から臭いが発生してしまいます。
食事管理
先ほども解説した通り、動物性脂肪を多く含む食べ物(肉やチーズ)などを多く食べている人はワキガの臭いが強くなることが分かっています。
そのため、なるべく動物性脂肪が少ない食事を取ることが大切です。
以下の食材には動物性脂肪が多く含まれているため、なるべく避けましょう。
- 肉類(牛、豚、鶏)
- バター
- ラード
- 牛乳
- チーズ
- アイスクリーム
医療脱毛
医療脱毛をすることでワキガを減らすと考えられています。
医療脱毛では毛嚢を選択的に破壊する治療で、アポクリン腺の破壊はしないので直接的な効果はありません。
しかし、腋毛は湿潤環境を保ってしまったり、腋臭の拡散に影響を及ぼしているため、医療脱毛によりワキガが減ると考えられるでしょう。
注意点として、エステ脱毛などの他の脱毛方法では結局発毛してしまうため効果がないと考えられます。
ワキガの対策に制汗剤は有効?選び方は?

制汗剤とはアポクリン腺からの汗の分泌をフタをすることで汗の分泌を抑制する薬を指します。
ワキガの治療で一番効果的な治療法は制汗剤を使用することです。
外科的手術、超音波治療、ボトックスの治療なども提案されることもありますが、自分に適した制汗剤を使用することで他の治療法に比べ手軽に試すことできます。
有効成分
アポクリン腺の分泌に対してフタをする成分として代表的な3つ成分があるので、それぞれについて説明します。
塩化アルミニウム
過去の医学では汗を止めること自体困難で、多汗症に対して使える薬がほとんどない時に使用されていたのがこの塩化アルミニウムです。
現在では局所多汗症に対しては保険適応が通っており、多汗症の治療薬としても使われています。
10~50%程度の塩化アルミニウム溶液の濃度を調整したものを院内で調合したものを処方します。
この濃度を濃くすることでより多汗症に対して効果があるものの、肌荒れなどの皮膚刺激が生じてしまったり、院内で調合するため液体成分での処方に限られてしまうのが難点でした。
臭いを抑えたいからと言って、全身に塗ってしまうと汗を出すことができず体温調整ができなくなります。
命に関わる可能性があるため、注意が必要です。
また皮膚刺激性が強いため、肌に合わない場合、赤み・かゆみ・ヒリヒリ感などの皮膚刺激が薬の効果が続く間ずっと持続してしまいます。
クロルヒドロキシアルミニウム
これは塩化アルミニウムをゲル状にした成分です。
アルミニウムは汗と反応することで、汗腺を閉塞することで汗の分泌を止めます。
しかし、閉塞する場所が皮膚の角層よりも下層に出来てしまうため、皮膚への刺激が強く、脇に使用することができませんでした。
ですが、このクロルヒドロキシアルミニウムは、閉塞する場所が上層である皮膚の角層で形成されるため、塩化アルミニウムより安全に使用することができます。
そのため、皮膚刺激性がかなり少なくできることが可能です。
これらの利点から、実用的な制汗成分としてかなり着目されています。
ミョウバン
食品添加物として知られているミョウバンですが、汗腺を引き締めることで発汗を抑制します。
しかし、先ほどご紹介した他の2つの成分が出口をフタをする一方で、ミョウバンは汗腺を引き締めるのみなので、やや制汗能力が弱いと考えられています。
ただ制汗剤としての作用以外にも殺菌作用があることがわかっており、汗の臭いを抑えることのできる成分です。
食品添加物でもあり、肌が弱い人には使いやすい成分と言えます。
タイプ・形状
制汗剤のタイプは、それぞれ特徴が異なります。
自分の生活スタイルに合わせて選びましょう。
スプレータイプ
手軽に使える上、広い範囲に均一に塗布できるのが特徴です。
衣類を着る前の使用がおすすめで、乾きが早いのも魅力と言えます。
朝の忙しい時間でも素早く使用できますが、周囲への飛散に注意が必要です。
ロールオンタイプ
先端の球体で制汗剤を塗布します。
ジェルやリキッドタイプが多く、肌への密着性が高いため、効果が長続きします。
朝の一回の使用で、夕方まで効果が持続することが多いのが特徴です。
クリームタイプ
肌への密着性が最も高く、汗をしっかり抑える効果があります。
塗布に時間がかかり、べたつきを感じることもあるため、就寝前の使用がおすすめです。
長時間の効果を期待できます。
パウダータイプ
さらさらとした使用感で、べたつきが気になる方に適しています。
汗を吸収する効果もありますが、持続時間は比較的短めです。
携帯して必要に応じて塗り直すのがおすすめです。
持続性
制汗剤成分の効果持続期間は、使用される製品の濃度によって以下のように変動します。
濃度が高いほど効果は長続きし、低濃度では効果時間が短くなります。
- 塩化アルミニウム…数日~5日程度
- クロルヒドロキシアルミニウム…約24〜72時間
- ミョウバン…6〜12時間前後
塩化アルミニウムは皮膚の角層よりも下層で閉塞作用を示し、一度塗布すると拭き取ることが困難なため、効果が長期間持続します。
ワキガ対策をしても改善しない場合は?

第一に考えられる有効な手段としては適した制汗剤を使用することです。
他にも様々な療法がありますが、ワキガに対してガイドライン上でも制汗剤を超える推奨度の高い治療法はありません。
唯一、アポクリン腺を除去するための『皮下剪除法』と呼ばれる局所麻酔下で行える手術は制汗剤の使用と同様に形成外科学会からも推奨されています。
しかし、術後の瘢痕や傷跡の違和感が残る可能性もあり、まずは適した制汗剤を使用することをお勧めします。
またワキガに関しては現在進行形で色々な治療法が出てきており、使用経験が浅い治療法が多いことも事実です。
この記事を読んだうえで十分に知識を入れたうえで制汗剤を使用しても効果がなかった人は、専門機関で相談されることも大切と考えます。
ワキガで悩むことは身体的以上に精神的に負担が大きいため、一人で悩まずに専門機関に相談しましょう。
まとめ
日本人の10%はワキガであり、ワキガの一番のピークは思春期~20代と若い世代です。
ワキガで悩むことは一般的でなことです。
制汗剤が一番効果がある治療と言えます。
ぜひ、この記事を参考にご自身に合った制汗剤を使用して悩みを軽減していきましょう。
制汗剤を使用しても効果が感じられない場合は、専門機関に相談することも大切です。
参考文献
ワキガになる原因とは|どんな匂い?治療法や治し方について解説 | 横浜内科・在宅クリニック
ワキガ・汗の臭いの原因は?効果的な対策をご紹介 | 西春内科・在宅クリニック